ほんとの初恋
プロローグ 初恋
「ほんとはずっとずっと好きだったの。
やっぱり私ではダメですか?
いつまで経っても幼い頃と変わらないの?」
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私の幼なじみに同い年の賢人君と7歳年上の優人さんがいる。
5才の時、母が亡くなった。
父は私がいるからなかなか仕事に行くのは難しい。
そんな時、仕事を辞めて田舎に帰ろうと思っていた父を社長は留めて離れに住むよう勧めてくれた。
私が始めに父と同じように『社長』『奥様』と呼んだら、
「堅苦し呼び方は止めて。『おばさん、おじさん』で良いの」と、優しくおっしゃった。
それからは『おじ様、おば様』と呼んでいる。
おじ様もおば様も大切にしてくださった。
優人さんは賢人君と同じように本当の妹のように可愛がってくれた。
引っ越してきて賢人君と一緒に幼稚舎に通うことになり双子のように育てられた。
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