ほんとの初恋

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賢人に言われて少し、いやかなり焦った。
俺だって咲良の気持ちには気づいていた。
それ以上に賢人を気持ちも。

賢人になら咲良の事を任せることが出来る。
それ以外の人なら、…考えられない。

素直にすべてを話す？
いや少しだけ？
いや少しだけって何？

卒業と進学祝いを兼ねて二人に食事に誘った。
賢人は邪魔するつもりは無いからと、あっさり断られた。

家を出る時、普段はそんなことをしないのに家族から送り出された。
咲良との食事がこんなにも緊張するとは思わなかった。
化粧をしている咲良を初めて見る。

｢卒業おめでとう
今日はまだダメだけど二十歳になったら一緒にお酒飲もうな｣
俺も車だし、グレープジュースで乾杯する。
｢大学行っても、二十歳までは絶対にダメだからな｣
いや二十歳過ぎても人前で赤くなるのは止めてほしい。