ほんとの初恋
「ほんとはずっとずっと好きだったの。
やっぱり私ではダメですか?
いつまで経っても幼い頃と変わらないの?」
思い詰めた顔で話してくれた。

何が卒業まで待つだ。
自分の意気地のなさが悔やまれる。
先に言わせてしまうなんて。

「ダメな訳ない!
ちっとも幼くなんか無い。一緒に暮らすのが限界なんだ。先に言われて情けないけど、愛してる。
付き合ってください、結婚を前提に」

卒業祝いに買ったバックと一緒にビロードで濃紺の小さな箱を出した。

「受け取ってくれますか」

真っ赤な目をして声にならないでうなずいてくれた。

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