ほんとの初恋
「こんなところでわざわざ言わなくても良いじゃないですか!」
山之内が怒って店を出て行った。

今のは山之内だと言ってないぞ。

先日の仕事終わりに山之内と飯に誘われた。
その時、付き合ってほしいと言われたが、そう言う対象として見てないからと言って断った。
その時誰かに見られてたのかは覚えてない。

その日も五十嵐に声を掛けようと思っていたが、山之内が、『彼女は約束が有るから無理っぽい』と言ったから二人で行った。
確かに今思えば何度かそんなことがあったなと。
五十嵐とは二人で行ったことはなかった。

何が起こったのが解らず驚いている兄貴と呆れている五十嵐の対象的な顔がおかしかった。

その日はとりあえず三人で飯を食って帰った。

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