ほんとの初恋
卒業式が終わり、引っ越しまでの少しの時間を慌ただしく過ごしていた。
初めての独り暮らし。
寂しさよりも楽しみの方が大きい。
何故か今頃、兄さんも独り暮らしを始めるらしい。
今までに見たことがないくらい楽しそうにしている。
おかげで、進学と同時に家を出る予定だった咲良が止められた。
嫁に行くまではこの家にいなさいと。
俺の部屋は1Kに対して兄さんの部屋は3LDK。
すねかじりと高給取りの違いを感じた。
そんなある日、兄さんの部屋に呼ばれた。
「咲良の事だけど、大学卒業までは学生生活を楽しませてあげたい。だから卒業してから将来の事を話そうと思う。先に賢人に話しておこうと思って」
「良いんじゃない。ただその間に何があるか判んないよ」
いつも落ち着いてる兄さんの慌てた顔を見ることが出来た。
だから3LDKなんだ。
サッサと伝えればいいのに。
初めての独り暮らし。
寂しさよりも楽しみの方が大きい。
何故か今頃、兄さんも独り暮らしを始めるらしい。
今までに見たことがないくらい楽しそうにしている。
おかげで、進学と同時に家を出る予定だった咲良が止められた。
嫁に行くまではこの家にいなさいと。
俺の部屋は1Kに対して兄さんの部屋は3LDK。
すねかじりと高給取りの違いを感じた。
そんなある日、兄さんの部屋に呼ばれた。
「咲良の事だけど、大学卒業までは学生生活を楽しませてあげたい。だから卒業してから将来の事を話そうと思う。先に賢人に話しておこうと思って」
「良いんじゃない。ただその間に何があるか判んないよ」
いつも落ち着いてる兄さんの慌てた顔を見ることが出来た。
だから3LDKなんだ。
サッサと伝えればいいのに。