小さな悪戯大きな災い
問題は、つい十分前までさかのぼる。
私と友達の佳苗は授業を終えて教室で駄弁っていた。部活は入っていないし、お金がピンチで店にいけそうもなかったからだ。
でも今思えば財布に五円しかなくても店に行くべきだった。それも縁だよ何かの縁だよ。
佳苗は小悪魔だ。どれくらい小悪魔かというと小動物系の小悪魔で、憎めないあざとさで男たちの周りをちょろちょろする小悪魔だ。
ちなみに小動物で、女のグループの方にも「うざいとこもあるけどなんか憎めない小動物」として混ざっている。
全部計算だ。こいつはちやほやされることが大好きなのだ。
でも遊びで付き合ったりするわけじゃない。ただ構われたいだけのさびしがり屋なのだ。なので軽い告白には応じないし、真剣な告白にも真摯に受け答えする。ただ人より甘えたがりで、嫌われないようにふるまうのが上手いというだけだ。
そんなこいつも幼馴染で友達の私の前では素に戻る。素のこいつはちょっと我が儘度合いが上がる。小動物じゃなくて女王様だ。女王様って程じゃないかな? お嬢様?
とにかく私相手には強気。私もそれを許容してるから、昔からの付き合いだから、見捨てないってわかってるんだろうね。
そんな彼女が、先日ハロウィンだったからお菓子をたくさんもらった。
…小動物って子ども扱いされるよね。
で、甘いものが実はそんなに得意じゃないこの子と一緒に、私もお菓子を消費していた。教室で。
ここで言っておかなくちゃならないことが一つ。
私たちが通っている学校は、一般の学校とは少し違う。
いうなれば魔女の学校。
そんな学校でもらったお菓子を無防備に食べちゃったら結果は当然というか。
猫耳娘の出来上がり(どーん)