小さな悪戯大きな災い
…。
あ、でも猫耳でよかったのか?もっときわどいのがあった可能性も…。
薬系の魔法は大抵時間がたてば元に戻るので、それほど焦ってはいない。目は疑ったけど。ただ問題は一つ。
猫耳の生えているこの子。
猫アレルギーなのである(どーん)
猫アレルギーの子に猫耳が生えて…平気なふりをしているが、くしゃみは出るし肌は湿疹ができるし、全身痒そうだ。
そんな彼女と相対する、この私。
何を隠そう。
猫恐怖症なのである(どーん)
猫怖い猫怖いなんであいつらこっちじっと見つめてくるの? なんで時々後ついてくるの? なんで何もない所じっと見つめてるの?なんであんなに高い所にジャンプできるの? びっくりするんですけど。なんで道路の真ん中で丸くなるの? ハラハラするんですけど。猫様こっち来ないで怖い怖い!
目の前のネコ娘怖い!!
でもこの子友達なんですけど! 現在アレルギー症状でめちゃくちゃ苦しんでる友達なんですけど! 苦しんでる友達おいて走って逃げることはさすがに出来ないんですけど! でも傍に居たくないんですけど!!
とりあえずポケットティッシュを献上したが、あっという間に消費されそうだ。悲しいことに時間帯の所為で職員室に行っても教員は少ない。部活があるし、実は下校時間が近いんです。でもこのまま帰るのもやばい。学校は魔女の学校でも、町は普通の町なんです。普通の町をネコ娘を伴って歩けません。ハロウィンなら別にセーフかもだけど、言ったけど、過ぎてますから!! お前遅れてますから!!
あいにく上に羽織るようなものも持ってきていない。まだ行けると思ったんだ。こんな寒さじゃまだいらないと思ったんだ。甘かった。寒さだけの問題じゃなかった。
「使い魔のちーくんに上着持ってきて貰う?」
最初に実は提案していた、この子の使い魔ちーくん(雀)だけども。
「ちーくんが美味しそうに見えるから、今呼べない」
「猫怖い!!」
この発言でなしになった。