明けない夜はきっと無い…

10

私は俯く。
そんなの言われなくたって分かってる。
意地悪な人!

そう思った時…

銀髪の彼は私の隣に座った。

「でも、あなた顔は人形のように可愛いですね。
その可愛い顔で、暁さんにおねだりでもしたんですか?

私も味見してみたくなりました。」

あじ…み…???

その時、銀髪の彼は私をソファに押し倒した。

「な、な、何するんですか!?

や、や、やめ…

んぐっっっ…!!!
ぅぅぅぅうう…む…!!!」

彼は私に深いキスをする。

長い舌で喉の奥まで舐め回され、鳥肌が立つ。

彼の手は私の胸を触ろうとした、その時…

「ふざけんなっっっ!!!
離れろ!おら!!!!」

暁さんが彼を引き離し、殴り倒した。

「…冗談でしょ。
まさか、こんなクソガキに惚れたんですか?」

切れた唇の血を指で拭いながら、銀髪の彼がそう言った。

「コイツは俺のおん…
オモチャだ!
手ェ出すんじゃねー!」

「…すいませんでした…」

彼は私をギロリと睨みつけながら、そう言った。

「いや、殴って悪かった…」

「いいえ、私が無遠慮でしたから。
では、暁さん、失礼します。」

そして、銀髪の彼は帰って行った。

「お前が隙だらけだから、あぁなんだよ!
他の男と目を合わすな!」

それ…
無理でしょ…

だけど、何かが引っかかっていた。

私を最初に見た時のゴキ◯リを見るような目。
ギロリと睨んだ時の憎悪の目。
暁さんに殴られた後の傷ついた瞳。

きっと、最後の瞳が答えだ…

「あの、あの人って、その…
暁さんの事スキ…なんじゃ…」

「だったら、何だ?
その事二度言ったら、風俗に売り飛ばすぞ。」
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