【完結】明けない夜はきっと無い…
21
side暁
帰ると、夜宵はソファで丸くなって眠っていた。
ベッドに移そうかとも考えたが、起こすのが嫌だったので諦めた。
俺はしばらく隣のソファで、彼女の天使のような寝顔を見ていた。
「いや…こ…ない…で…」
彼女は、か細い声でそう言った。
「夜宵…?」
そして、突然、彼女は悲鳴を上げて、目を覚ました。
「夜宵?」
俺が夜宵の頬に手を差し出すと、彼女はパンッ!とそれを手で弾いた。
「いや、お義父さん!
来ないで!
私に!触らな…いで…!」
「夜宵…!
夜宵…!
大丈夫だから…
落ち着いてくれ…」
「あか…つ…き…さん…?」
夜宵はやっと意識を戻すと、そう言った。
彼女の言った言葉で、大体どんな目に遭っていたのかは、容易に想像が付いた。
家に返すと言った言葉が揺らいでいく…
夜宵は俺の首筋に細い両腕を回して抱きつき、すすり泣いた。
「俺がいるから…
もう、怖い事なんて何もない…
大丈夫だ…」
俺は夜宵の汗ばんだ身体をそっと抱きしめ返した。
そうする事しか出来なかった。
もう一つの言葉が、喉まで出ていたけれど、グッと呑み込んだ。
好きだなんて、言えない。
俺はヤクザだ。
いつ死ぬかも分からない。
いつ捕まるかも分からない。
好きだ、なんて、言えるか…!
そう自分に言い聞かせて、大丈夫と繰り返し言った。
そして、少し落ち着いた彼女を抱いて、ベッドに連れていった。
抱いてしまおうか…?
本気でそう思った。
だけど、夜宵に嫌われるのが怖かった。
俺は彼女を抱きしめて、また眠れぬ夜をじっと耐えた。
彼女の寝顔だけが、俺の暴走を止め癒しをくれた。
帰ると、夜宵はソファで丸くなって眠っていた。
ベッドに移そうかとも考えたが、起こすのが嫌だったので諦めた。
俺はしばらく隣のソファで、彼女の天使のような寝顔を見ていた。
「いや…こ…ない…で…」
彼女は、か細い声でそう言った。
「夜宵…?」
そして、突然、彼女は悲鳴を上げて、目を覚ました。
「夜宵?」
俺が夜宵の頬に手を差し出すと、彼女はパンッ!とそれを手で弾いた。
「いや、お義父さん!
来ないで!
私に!触らな…いで…!」
「夜宵…!
夜宵…!
大丈夫だから…
落ち着いてくれ…」
「あか…つ…き…さん…?」
夜宵はやっと意識を戻すと、そう言った。
彼女の言った言葉で、大体どんな目に遭っていたのかは、容易に想像が付いた。
家に返すと言った言葉が揺らいでいく…
夜宵は俺の首筋に細い両腕を回して抱きつき、すすり泣いた。
「俺がいるから…
もう、怖い事なんて何もない…
大丈夫だ…」
俺は夜宵の汗ばんだ身体をそっと抱きしめ返した。
そうする事しか出来なかった。
もう一つの言葉が、喉まで出ていたけれど、グッと呑み込んだ。
好きだなんて、言えない。
俺はヤクザだ。
いつ死ぬかも分からない。
いつ捕まるかも分からない。
好きだ、なんて、言えるか…!
そう自分に言い聞かせて、大丈夫と繰り返し言った。
そして、少し落ち着いた彼女を抱いて、ベッドに連れていった。
抱いてしまおうか…?
本気でそう思った。
だけど、夜宵に嫌われるのが怖かった。
俺は彼女を抱きしめて、また眠れぬ夜をじっと耐えた。
彼女の寝顔だけが、俺の暴走を止め癒しをくれた。