明けない夜はきっと無い…

26

その日の朝6時、私はまだ夢の中に居る。

その時、電話の着信音が鳴った。

暁さんの携帯だ。

暁さんは、私を抱きしめる手を緩めて、電話を探る。

「んん…
誰だよ…
こんな朝っぱらに…」

暁さんは、携帯を探り当てると、私の頬に軽くキスをして、電話に出た。

「ん?
んぁあ?

寝ぼけてて悪りぃかよ!
こんな朝っぱらから電話かけてくんな!

何の用だよ、八雲?」

相手はどうやら、八雲さんという人らしい。

「向日葵の会?

あぁ、そう言えば…
そろそろだな…

はぁ?
子猫ちゃ…

夜宵の事か?」

暁さんは、チラリと私に視線を落とした。

向日葵の会???

なんだろう、それ???

「はぁぁぁあ?

夜宵を連れてこい?
…って、そんな事できる訳ねーだろ!

何でって、こいつは、カタギだぞ!」

私を連れてこい???
向日葵の会に???

ってこと???

「…あ、そうか。

分かった。

本人にも聞いてみる。」

そこで電話は切られた。

私は眠たい目を擦りながら起きた。

「どうしたの?」

私は尋ねる。

「…朝飯でも食いながら話す。
何が食べたい?」

「うーん…
ナポリタン!」

「オーケー。」

暁さんは、問答無用で私を引き寄せフレンチなキスをする。

もうっ!
エロ魔人めっ!

「胸ぐらい触らせろよ。」

「嫌ですぅ〜!」

そんな冗談を交わして、私は歯を磨いて顔を洗い、暁さんがナポリタンを作るのをじっと見る。

ナポリタンが出来上がり、いただきますをして、食べ始めた。

最近は、100%のオレンジジュースにハマっている。

暁さん曰く、メシにジュースはヤクザが慈善事業をするぐらい考えられない、そうだ。
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