明けない夜はきっと無い…

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電話を切った後…

「向日葵の会には、ドレスコードがあるそうだ…」

暁さんは思いっきり暗い表情でそう言った。

「ドレスコード…?
ホワイトオンリーみたいな…???」

「いいや、少し違う。

男女とも浴衣を着用して来い、と言いやがったアイツ…」

「え?
浴衣着れるの!?

嬉しい!」

「はぁ…

全く、お前も八雲も呑気なもんだ…

向日葵の会は本来は…

まぁいい。

向日葵の会は明後日だから、今日浴衣を選んで、美容室で着付けとヘアメイクの予約をしとく。」

暁さんは言う。

「だけど、向日葵の会ってただの集まりでしょう?
ちょっとしたお祭り、みたいな?」

「本来の目的は、参加費用として上納金を納める為と、情報交換の場だ。

ま、お前にゃ関係無い話だ。」

暁さんは、それ以上説明しようとしない。

上納金…?

何だろう?それ???

「行くぞ、夜宵。
浴衣専門店が5分先にあるから。」

「車で行くの?」

「歩ける距離だが、歩きは危険だ。
俺1人なら、なんとでもするが、お前を守りながら戦うのは少し厳しい。」

暁さんは、赤のキーを取って、玄関に向かった。

私も慌ててついて行く。

今日は、赤のスポーツカーに乗るようだ。
正直、車名はよく分からない。

多分高い事は間違い無いだろうけど…

そして、あっという間に浴衣専門店に着いた。









私はピンクに紺のトンボ柄の浴衣をチョイスし、暁さんはめんどくさそうに"1番売れている"と言われた紺色に白い帯の浴衣を購入した。

そしてら帰り道にある美容室に着付けとヘアメイクを頼んで帰宅した。







私はその時、向日葵の会にワクワクしていた。

現実はそんなに甘く無いとも知らずに…
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