明けない夜はきっと無い…

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向日葵の会当日、私と暁さんは浴衣を持って美容室へ。

私は髪を複雑に編み込み、結い上げてもらい、ピンクの花飾りを付けてもらった。
メイクはブラウン系のシャドーでナチュラルに、チークと唇にピンクをさりげなく。

私が全て終わると、紺色の浴衣に着替えた麗しい暁さんが美容室の入り口に立っていた。

まるで浴衣モデルのようないでたちにドキッとする。

「あぁ、似合うな。
そろそろ行こう。
遅刻して目立つのもごめんだからな。」

私達はベンツに乗り、足立区に向かった。

住宅街に入り、その中に今時にしては古臭い瓦屋根の豪邸があった。

暁さんは、その豪邸の入り口で門番に招待状を見せると、大きな門がゆっくりと開いた。

庭には、向日葵、向日葵、向日葵が咲き乱れ、向日葵の野原のように黄色と緑が揺れている。

駐車場に車を停め、私達は豪邸に入った。

「おぉ、暁！
来てくれたか！」

癖のある赤髪のカッコいいお兄さんが現れてそう言った。
彼はカーキの浴衣を着ている。

「あぁ、これ、上納…
じゃなくて、お祝いだ。」

多分100万以上は入っているであろう厚い祝儀袋を暁さんは赤髪の男の人に渡した。

「あぁ、悪いな。

君が夜宵ちゃん？
俺は八雲って言うんだ。
よろしくね。」

八雲さんがにこっと美しく笑って言った。

華栄会のヤクザって、顔面偏差値が高すぎる…

「あ、よろしくお願いします。」

私は慌ててそう言った。

「じゃあ、中庭に面した縁側に来てくれ。
向日葵が見事だよ。

お茶会もやっているしね。」

八雲さんが私達を案内する。

中庭にも向日葵が咲き乱れており、浴衣姿の男女が遊んでいる。

一見普通に見えるけど、全員ヤクザなのよね…

私はそう思った。