明けない夜はきっと無い…

3

え…?

拳銃…?

と、思った時には、私に銃口を向けられていた。

走馬灯のようにこれまでの人生が駆け巡った。

私はほんの数秒で、人生の終わりを覚悟しなくてはならなかった。

そして…











引き金が引かれた。















鋭い爆発音と共に、2人の男が頭を撃ち抜かれていた。

え…?

私…は…?

手も足も付いている様だ。

どこも痛む所は無い。

私は一気に緊張が解かれて、その場に座り込んだ。

心臓はバクバクと鳴り、冷や汗が止まらない。

だけど、生きている。

「射撃の腕は鈍ってないようだな。」

「お陰様で。」

背後からそんな談笑が聞こえる。

私は強張る表情で、ゆっくりと後ろを振り返った。

「殺しますか?」

銀髪の男が私に再び銃を向ける。

「いや。
お前はあっちの死体の処理を指示してくれ。

この女は、俺が決める。」

そう言われた、銀髪の男は私に冷たい視線を送りつつ、死体の元に向かった。

「おい、お前。」

黒髪の長髪のその男は、私の頬をペチペチと拳銃で叩きながら、そう言った。

「イタッ…」

「ふん。
お前はどこの組の回し者だ?」

「組…?
回し者…???」

「何も知らないのか?
お前さんが運んでいたのはな、覚醒剤、だよ。」

「覚醒剤…!?」

そう、私はどこかのヤクザの運び屋をさせられていたのだ。

「本当に何も知らないのか?」

私は首を縦に振る。

「乗れ。」

「え…?」

「車に乗れと言っている。」

男は首で高級車の1台を指しながら、そう言った。

私は、腰が抜けたのを何とか悟られないように、ふらつきながら、黒の車の後部座席に乗り込んだ。

乗った瞬間、ロックがかけられた。
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