明けない夜はきっと無い…

31

「言っておくけど、開封していないし、私もどれが毒だかは知らないわ。
そこは、もちろんフェアにするわ。

だけど、あなたに先攻を譲ってあげるわ。

さぁ、どれにするの?」

少女は、チョコレートのケースを開けた。

そこには、赤・青・黄・白にトッピングされたチョコレートが入っていた。

白って毒じゃ無さそうだけど…
でも、裏をかいたら?
いや、でもその裏は???

分からない…

私は青のチョコレートに手を伸ばした。

震える手でチョコレートを口に入れる。

甘い味はするけれど、毒かもしれない…

数秒経っても変化は無い。

水色の浴衣の少女は舌打ちして、赤のチョコレートに手を伸ばした。

「美味しいわ。
あのね、私、これで負けた事ないのよね。

一応言っておくわ。

どうする?
やめる???」

「いいえ。
勝負は最後まで分からないわ。」

私は言って、黄色と白のチョコレートを見比べる。

白に毒?
黄色に毒?

分からない…

色に意味は無いかもしれないし…

私は黄色を選んだ。

ガタガタと震える手でチョコレートを無理やり口に押し込んだ。







神様…!!!








そして、神は私に微笑んだ。









「そんな……」

水色の浴衣の少女が真っ青になり、震える手で最後の白のチョコレートを食べようとする。

私は、それを手刀で叩き落とし、チョコレートを踏みつけた。

「…同情したつもり…?」

「いいえ、つまらないからよ。
死なない程度の毒ではやる意味無いわ。

今度は青酸カリでやりましょう。」

私はにっこりと笑ってそう言った。

「ふぅ…
アンタかたぎの癖によくやってくれたわ。

名前は?」

「夜宵よ。」

「夜宵。
覚えておくわ。

私は美香《みか》。
今度は負けないわよ。」

そして、美香さんは去っていった。
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