明けない夜はきっと無い…

35

私は暁さんの甘い甘い香りに包まれて、ベッドに降ろされた。

そして、ギュッと抱きしめられた。

「あ…かつき…さんが、死んじゃうかと思って…
怖かったの…」

私は暁さんの首元に唇を当てて言った。

「え、そっちかよ…

死なねーよ。
死んだとしても、お前は助ける。」

「やめて、暁さんが死んだら私も死ぬ。」

「…すごい愛の告白に聞こえるんだけど?」

「違います。
茶化さないで。」

「俺は…
お前の居場所になれるかどうか、分からない…」

暁さんは、私の黒髪を撫でてそう言った。

「…婚約者がいるから?」

「…婚約者!?
誰だそれ!?

あ、あぁ、美香のことか!

婚約者じゃねーよ!
親が勝手に決めた許嫁ってだけ!」

「一緒でしょ。」

私は暁さんの首に手を回して、彼に口づけた。

唇は、まだ、ほんの少し震えていた。

彼は火がついたように、私をベッドに押し倒し、唇をむさぼった。
震えは止まったけれど、言ってしまいたくなった。

好き…

いや、愛している、と…

私のために、生きて…と…

そんなのは、ヤクザに通じるのかどうか、よく分からないけれど。

「夜宵…
触っていい…?」

「ん…
いいよ…」

暁さんは、私の首筋にキスを落としながら、そっと胸に触れた。
それは、まるで、宝物を扱うように大切に…

気づいたら私は上半身はブラだけになっていた。

胸の谷間にキスを落とす暁さん。

彼の身体は温かく心地よくて、ブラのホックが外された時、私は眠りに落ちた。

「え…
冗談だろ…

夜宵…?」

暁さんの地獄の夜は続いていくようだ。
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