明けない夜はきっと無い…

38

side暁

中国マフィア…

何人もの人殺しも厭わない、ヤクザよりも怖い連中だ。
殺した遺体は徹底的に処理し、警察は遺体すらも見つける事が出来ない上、中国の圧力に負けて、うやむやにするのが現状だ。

確かに、それが本当だとすると、厄介だ…

「中国マフィアか…」

「こっちは、アメリカのマフィアでも味方に付けるか?笑」

八雲が冗談めかして言う。

「しかし、中国のマフィアが日本のヤクザと手を組むとはな。
あまり考えにくいことだ。」

俺は言う。

「まぁ、諸刃の剣という所だろうな。
上手く使えば最強の武器となり、下手すりゃ自分の体を貫くことになる。

天雷会もアホじゃないから、分かっているだろうよ。」

「なるほど。
しかし、もしも最強の武器となった場合、かなり厄介だな。

警察にも中国マフィアの圧力はあるからな。」

俺は僅かに眉間に皺をよせる。

「ま、それも含めて、オヤジにご挨拶と行こう。
まとまった金はあるか?」

八雲が尋ねる。

「あぁ、問題無い。
神桜に用意させておく。」















そして、会社を早めに切り上げて、八雲と、華栄会の会長、つまり、親分の元へ向かった。

車の中で。

「そう言えば…
向日葵の会で、美香と夜宵ちゃんが激突してらしいな。」

「は?
何の事だ?」

「知らないのか?

2人でロシアンチョコレートをやってたってハナシ。」

「ロシアンチョコレート…

…どっちが勝ったんだ?」

「夜宵ちゃんだよ。
美香がカタギにしては根性があると、珍しく褒めてたな。

何も聞いて無いんだな。」

「夜宵のやつ…」

俺は、帰ったら夜宵に説教すると決めた。
だから言わなかったのか?
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