明けない夜はきっと無い…

4

車の中で私は、どうしよう?と焦りまくっていた。
まさか、ヤクザに連れて行かれるなんて…
ロクな結果が思いつかない。

黒髪長髪の男が後部座席に入ってきて、銀髪の男が運転席に乗る。

車が動き始めると、私は黒髪長髪の男に大きな手で目を塞がれ、引き寄せられた。

彼の腕の中は、甘い甘い、バニラよりも甘い香りがした。

「着くまで目を開けるな。
開けたら、そこで人生も終わると思え。」

男は、引き寄せた私の耳元にそう囁いた。

「どうするんですか?
その女?

かなりの上玉のようですし、変態金持ちに高く売りつけては?」

運転席の方からそんな声がする。

「しばらくは俺が遊ぶ。」

「またですか?(呆れ)
じゃあ、飽きたら風俗にでも捨てますか。」

「そうだな。」




え、え、えぇぇぇぇぇ!?

私、一体どーなるの!?!?!?

高級車はゆっくりと軽やかに道路を走っていく。

私は黒髪長髪の男に目隠しをされ、甘い香りに多少酔いながら、色んな事を考えていた。












車が緩やかに停まり、目隠しを外され、降りろと言われた。

私はヨロけながら、降りる。

そこは、おそらくマンションの地下駐車場だった。

私は、拳銃を背中に突きつけられながら、エレベーターを上がって行った。

そして、エレベーターの数字はぐんぐん上がって行き、65階の最上階に着いた。

え、最上…階…?

もしかして…ペントハウス…とか言う…やつ???

私、どうなっちゃうの!?













そして、私はペントハウスに入り、その全貌にびっくりした。

高い高い天井…
真っ白の壁…

ドームのような広い窓ガラスはどうやって掃除するのだろうか…?

そんな事を考えていると、黒髪長髪の男がソファを指差し、私に「座れ」と短く言った。
< 4 / 60 >

この作品をシェア

pagetop