明けない夜はきっと無い…

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それから、2人でいただきますして、ベーコンと目玉焼き、トーストを食べた。

「ねぇ、今日もお仕事なの?」

私は首を傾げて尋ねる。

「なんだよ、行って欲しくねーの?」

「べ、べ、別にぃ!
北海道でも沖縄でも行ってくればぁ!」

また、可愛くない事を言ってしまった…
本当は、もっと、可愛く、『うん、行かないで♡』とか言えるような性格になりたいのに…

「今日は家に居る。」

暁さんは短く言った。

「そ、そ、そーなんだ?」

だから、可愛く無いって。

「良かったな、夜宵。
エロ魔人とずーっと、一緒だぞ!」

暁さんはニヤニヤとそう言った。

暁さんも私と同じくらいひねくれてるご様子だ。

「冗談は置いといて、何するの?」

「別に冗談じゃ無いけど…

何したい?」

「うーん、外には出れないのよね?」

この間みたいな倉庫銃撃事件は懲り懲りだ。

「外…か…

じゃ、ドライブするか!」

「わーい!
私海に行きたいな!」

「女って海すきだよな。」

「あら?
どこの女と比べてるのかしら?」

「い、いや、一般論だろ。
ははっ…」

暁さんが少し焦って言う。

「ふぅーーーーん?」

「いいから、着替えて来いよ。

俺も用意すっかぁ!」

なんだか、誤魔化されたようだが、まぁいっか。

何着ようかな?

ドライブなら〜…

海だよね、しかも。

私はクローゼットから、白のロングワンピースを取り出した。

化粧…とか、したら喜ぶ?
でも、した事ないや…

髪も…
ただのストレートじゃ…

私はYouTubeで、ヘアアレンジの動画を見た。

見様見真似で、髪を後ろに束ねフィッシュボーンしてみた。

うん!
悪くないわ!

私は玄関に向かった。
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