明けない夜はきっと無い…

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side暁

次の日、俺は真っ黒のスーツに黒のネクタイ、白シャツの正装で、肩までの髪をオールバックにしてリムジンに乗って帝国ホテルに向かった。

帝国ホテルの1階ラウンジで、若頭の1人三田《みた》さんと会った。

「よぉ、暁!
今日はえらいぎょうらしいなぁ!」

「お久しぶりです、兄さん。
えぇ、何があるんでしょうかね?」

「まぁ、リラックスして行こうや。
死ぬときゃ、それが天命だ。」

三田さんは豪快に笑うとエレベーターへ向かった。

最上階に着き、俺と三田さんは流石に話をやめて、スイートルームに入った。

『ちょっと待て、ボディチェックする』

スイートルームの入り口の何人かの外人が中国語でそう言った。

中国人か?
いや、だいぶ訛ってるな。

俺たちはボディチェックされて中に通された。

「おぉ、来たか。
三田、暁。」

オヤジがソファに座り、残りの若頭3人がそのソファの後ろに立っていた。

俺たちもそれに習い、オヤジのソファの後ろに立つ。

オヤジの対面のL字のソファには、金髪のピアスを数カ所開けた外人が居た。

『全員揃いましたか?』

金髪の男がオヤジに言う。

すぐに、バーコードハゲの小柄なおっさんが通訳する。

「あぁ、全員だ。」

オヤジは答えた。

「あー…
こちらはな、まだお若いが、台湾マフィア四合会《しごうかい》の会長の、李宇翔《リンユウシャン》さんだ。」

オヤジが俺たち若頭5人に紹介した。

台湾マフィア…!?
さっきの訛りは台湾訛りか…!

「まさか…」

俺は思わず口に出して言った。

「我々の利益は一致している。
李さんは、中国マフィアに依存する天雷会が邪魔だそうだ。」
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