明けない夜はきっと無い…

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私にハグしまくる金髪の男性を暁さんが引き剥がし、言った。

「あー…
コイツは台湾の友達で…

えーと、ユウシャン。
しばらく、このマンションに滞在するから。

ゲストルームに案内するから、ついて来い、ユウシャン。」

「ゲストルーム!
NICE!」

ユウシャンは暁さんに引っ張られて、ゲストルームに向かった。












ユウシャン…さん…。
なんだか、陽気な人だったなぁ…。

台湾のお友達?
台湾に行った事あるのかな???

しばらくして、ユウシャンさんと暁さんは、リビングに戻ってきた。

「What’s your name ?」

ユウシャンさんは、私の隣に座り、尋ねる。

「ヤヨイ…」

「ヤヨイ!
Ohhhh!

グレイト!

なかよくしてネ!」

握手を差し出されて、手を握った。

「アカツキ!

By the way !

ワタシ、おなかへったネ!」

「あ、サンドイッチがありますよ?」

私はサンドイッチを残り全部皿に入れ、差し出した。

「Ohhhh!

ヤヨイ!
You are so sweet !」

また、ハグされる。

暁さんの表情がだんだんと険しくなって行く。

私は暁さんがキレないうちに、ユウシャンさんのハグから抜け出し、暁さんの隣に座った。

暁さんは、ユウシャンさんに見せつけるように私を片手で抱き寄せた。

『ユウシャン、今回の件は遊びじゃ無いんだぞ。
なぜ、帝国ホテルを抜け出して、ウチに来た?』

暁さんは中国語で何かを言った。

『だってさ。
1ヶ月近くもホテル暮らしなんてつまらないじゃ無いか。
もう、ホテルの食事にも飽きたしね。
何事も楽しむスタイルなのさ、僕はね♪』

ユウシャンさんも中国語で何かしら答えた。
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