明けない夜はきっと無い…

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その後、ユウシャンさんは寝不足だと言ってゲストルームで眠った。

「あれ?
暁さん、お仕事は…?」

私はスーツ姿で仕事の用意をしていた暁さんがいつまでも居るのを不思議に思い尋ねた。

「あ、あぁ。
他の若頭に代わってもらった。

ユウシャンとお前を2人きりにさせるのはまずいだろう?」

「んー…
でも、ユウシャンさんて、そんなに危険な人には見えないけど…」

私は言う。

「全く…お前の人を見る目の無さには、反吐が出るよ。」

暁さんは、心底呆れたようにそう言った。

それは、そうだろう。
台湾1のマフィアのボスだと知っていたら、危険じゃ無いなんて、絶対に言えない。

しかし、こうして、1ヶ月間の奇妙な3人暮らしが始まったのだった。














13時過ぎに起きてきたユウシャンさんは、また、お腹が空いたと言い出した。

「デリバリーでもするか。」

暁さんが言う。

「NO!NO!

アカツキ、行きたいばしょ、アルネ!

スシ食いたいネ、ワタシ!」

ユウシャンさんが言った。

「はぁぁぁ?
寿司ぃぃ?

車で行かないと無いぞ!」

「OK!
OK!

ヤヨイ、アカツキ、Let’s drive !!!」

と言う訳で、私たちは何故か寿司屋に行く事に…

まぁ、いっか、お寿司好きだし!

そして、着いたのは、高級寿司屋だった。

店内に入ると、ユウシャンさんはすぐに言った。

「NO!
ここじゃ無いネ!」

「はぁぁ?
寿司屋だろ!
どう見たって!」

「Japaneseスシは、回ってるネ!」

ユウシャンさん。

「あぁ、回転寿司に行きたいんじゃない?」

私は言う。

「That’s right !!!」

「こっちの方が高いんだぞ!」

暁さん。

「NO!」

ユウシャンさんは譲らないようだ。
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