明けない夜はきっと無い…

6

何度もキスされて、やっと離された私は、軽い目眩をおぼえた。

タバ…コって…
目眩するっ…け…?

「シャワー浴びて来いよ。
覗かねーから。」

私は浴室に案内され、その広さとゴージャスさにもびっくりした。

「内鍵あるから、安心しろよ。
じゃ、ごゆっくり。」

私はだだっ広い浴室でシャワーを浴びて、汗と彼の匂いを落とした。

シャワーからあがると、暁さんはエプロンを付けて、料理をしていた。

ヤクザって、料理するんだ!?

私はライオンでも見るみたいに暁さんを凝視した。

「何だよ?
また、キスして欲しいのか?」

「ち、ちがっ…!
ヤクザって料理するんですか…?」

「ヤクザによるだろ。
まぁ、俺レベルで自炊するのは、珍しい…か…」

俺レベル?
何レベルなんだろう???

良く分からないまま、気づいたらハンバーグが出来ていた。

美味しそう…

しかし、暁さんはとんでもない事を言い始めた。

「お前の餌はココだ。
手を使わずに、口だけで食え。」

暁さんは、私のご飯とハンバーグを床に置いてそう言った。

「私は人間ですよ!?」

「黙れ。
ここにいる時点で、俺のペットだ。
ご主人様の命令に背くなら…」

「…背くなら?」

「薬漬けにして、売り飛ばす。

あぁ、今一本打ってやろうか?
飛べるぜ?
最高に?」

私は床に置かれたそれを、獣のように食べるしか無かった。

食べずに居ようとも思ったが、お腹は空き過ぎていた…

床に置かれたご飯にぺちゃりと口を付ける。

「そうだ。
それで良い。」

結局、私は綺麗に平らげてしまった。

そして、私は暁さんの腕に抱かれて、眠りに落ちた。
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