明けない夜はきっと無い…

7

side暁

夜宵は俺の腕の中で、まるで子猫の様に丸くなって、スヤスヤと眠っていた。

起こして、ヤッてしまおうか?とも思ったが、なんとなくその寝顔を見ていると、その気が萎えた。

似ている…

俺は本能的にそう感じていた。

傷ついた瞳。
希望を探す瞳の奥。
俺を睨む気概。

真っ黒な髪に茶色のくりりとした瞳は、フランス人形のようだが、その奥には傷ついた過去と、未来への希望が見え隠れしていた。

それでなのか…?

俺が手を出せないのは…?

同族嫌悪…?

いや、多分、逆だ。

似ているから、惹かれる…

惹かれる?
馬鹿な!

俺が女に惹かれる筈は無い。

もう、二度と女に深く関わるのはゴメンだ。

12歳の時そう決めたじゃないか?

コイツは…

時期が来たら…

家に帰してやるか…?

ふん!
自分の甘さに反吐が出そうだ!

いつもの調子はどうした?
女など、シャブ漬けにして売り飛ばして来たじゃないか?

その時、夜宵は俺の首に手を回し、擦り寄ってきた。

少し、冷房が効き過ぎてるのか?

俺はパネルを操作して、温度を上げると、彼女の唇に僅かにキスをし、そして眠った。
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