あまく翻弄される

「………私が一番に聞く声が俺であって。って言われた…」

「なにそれ!エロくない?」

「エッ…!?」


目を見開いて興奮したノノちゃんは完全に声量を間違えている。
予想外の反応に言葉が詰まる。

それと同時にクラス中の視線が集まっていることに気付き、慌てて唇に人差し指を当てて、しーっとノノちゃんに向かってジェスチャーする。

慌てて口を押さえたノノちゃんもどことなく頬が紅潮している。
深呼吸を繰り返して冷静になったノノちゃんは、ふたつめのパンに手を伸ばしながら言葉を続けた。



「よく意味わかってないけどなんか…」


その先はパンにかぶりついていてよく聞こえなかったけどさっきと同じなのは分かった。
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