あまく翻弄される
それとなく流されてると思いつつ、放課後ノノちゃんに相談すると、


「いいんじゃない?そのままで」


ノノちゃんはそう言って、パフェを幸せそうに口に運ぶ。


「……いいのかな?本当に」

「いいでしょ。お互いに助かってるんだし」

「……でも私たち恋人同士でもなんでもないよ」


その言葉にノノちゃんはスプーンを置いてじっとこちらを見つめた。


「好きなの?そのイオリくんのこと」

「え?」


思ってもいなかった言葉に目を見開く。

好き……?私が伊織くんを……?


「……そんなわけないよ、年下だし」

「たったの2歳差なんて理由になんないわよ」

「…それに弟の友達だよ?」

「だから何よ」

「……それに、」


そこまで言ってぱちん、と自身の頬を叩く。
私は恋愛経験がないから自分の好きすらもわからなくてこうやってうじうじしちゃう。
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