あまく翻弄される
「……ありがとう、ノノちゃん。ノノちゃんと話したらすっきりした」
「鈍感女の世話は勘弁して」
「ふふ。ごめんね?」
「振られたら一緒にパーティでもしてやるわよ」
ふんと鼻を鳴らすノノちゃんは最高にかっこよかった。
「ノノちゃんかっこいい…」
「なら、私にする?」
「するぅ」
ふざけた会話が心地よくて笑っていると、窓の外を見慣れた黒髪が通り過ぎる。
「あ、」
「なに?」
私の視線を辿ってノノちゃんは同じようにその人を見て、予想外の言葉を吐いた。
「…………一色伊織…?」