あまく翻弄される
「頭ぐるぐるする…」


想像以上にキツくて机に手をついて項垂れるとやれやれとばかりに嘆息される。

久しぶりに熱だしたらこんなに辛いなんて。
ふらふらとベッドに逆戻りする。


「だろうな。熱あんだし」

「……今日休む」

「そうしろそうしろ。俺学校行くけど何かあったら連絡しろよ」

「…朝ごはん、ごめんね。いってらっしゃい」

「気にすんな。いってくる」


折角作ってくれた朝ごはんを無駄にしたことに眉を八の字に垂らして謝ると、気にしてなさそうにひらりと手を振った。
出ていった雷斗の背を見送って、また眠ろうと気怠い瞼を閉じる。

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