あまく翻弄される

6


すっかり熱も引いた翌朝。

伊織くんからの電話はなく、無機質になるアラームの音で起こされた。
その後も待っていても伊織くんから電話が来ることはなく、悶々としたまま支度をする。


昨日、私、告白したよね……?

俺のになって。って告白の返事はOKってことだよね?

キスもしたし……。


昨日の伊織くんとのキスを思い出して無意識に指が唇をなぞっていてぼんっと顔が赤くなる。

慌てて頬に手を当ててなんとか冷やそうとするも、なかなか熱が下がらない。

こんな顔、雷斗に見られたら絶対からかわれる。
早く熱引いて……!

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