あまく翻弄される
表情を変えず伊織くんは雷斗を見据えて、
「雷斗。こういうことだから」
それだけ言って、腰を離す。
雷斗との会話から何となく思っていたけど伊織くんはあまり多くを語らない。
「姉貴と親友が恋人だなんて鼻が高い高い。お幸せにィ」
語尾にハートマークでもついてそうな声音に二人揃って白けた目になるのも仕方ないと思う。
「でもまあ、姉貴、まじでいい男捕まえたと思うよ」
「うん?」
「……捕まえたんじゃなくて捕まったのかもしれないけど」
首を傾げる私を置いて言葉を続けた雷斗は私に言っていたはずなのに視線は伊織くんを見ていた。
雷斗に見えないよう後ろ手で繋がれた手が互いの熱を伝えていた。
「雷斗。こういうことだから」
それだけ言って、腰を離す。
雷斗との会話から何となく思っていたけど伊織くんはあまり多くを語らない。
「姉貴と親友が恋人だなんて鼻が高い高い。お幸せにィ」
語尾にハートマークでもついてそうな声音に二人揃って白けた目になるのも仕方ないと思う。
「でもまあ、姉貴、まじでいい男捕まえたと思うよ」
「うん?」
「……捕まえたんじゃなくて捕まったのかもしれないけど」
首を傾げる私を置いて言葉を続けた雷斗は私に言っていたはずなのに視線は伊織くんを見ていた。
雷斗に見えないよう後ろ手で繋がれた手が互いの熱を伝えていた。