あまく翻弄される
7
「ノノちゃん。聞いて欲しいことがあるの」
どうしても伝えないといけないと思った。
大好きな親友だから。
「……何となく察したわ。上手くいったんでしょ?」
「うん」
「どういう人だったか知っててくっ付いたのならいいのよ。後から知った方があんた傷付くでしょ」
「ノノちゃん…」
その優しさに感動して手を握ろうとすると避けられてぺちっと額を叩かれる。
「それにしても恋愛初心者すぎて一色伊織に告白されたただけで知恵熱は笑うわ」
「……笑わないでよ、本当はずかしいんだから」
「ごめんごめん。でもまあ、好きな人できてよかったじゃない」
目尻の涙を拭うノノちゃんにこてん、と首を傾げる。