あまく翻弄される
「鳴さん、手伝います」
食材を冷蔵庫にしまっていると真後ろから話しかけられる。気配もなく立っていて驚いてぴくりと肩が跳ねる。
猫のように足音なく静かにやってくる伊織くんは違う意味で心臓に悪い。
「大丈夫だよ。座ってて」
「いえ、これくらいはさせてください」
隣に立ち、ワイシャツの袖を捲る伊織くんはやる気満々でそれならと一緒に料理を始める。
雷斗は手伝う素振りも無く、伊織くんを放って女の子と電話していた。
まったくもう。
「……今度伊織くんの好きな物作るね」
「俺のですか?」
「うん」
目を見開く伊織くんがあどけなく見えて可愛くてクスクス笑うと、
「鳴さんの作ったものならなんでも好きです」
瞳をとろんとさせて伊織くんは微笑んだ。
直視していられなくて慌てて、野菜を切る伊織くんの手元に視線をやる。
食材を冷蔵庫にしまっていると真後ろから話しかけられる。気配もなく立っていて驚いてぴくりと肩が跳ねる。
猫のように足音なく静かにやってくる伊織くんは違う意味で心臓に悪い。
「大丈夫だよ。座ってて」
「いえ、これくらいはさせてください」
隣に立ち、ワイシャツの袖を捲る伊織くんはやる気満々でそれならと一緒に料理を始める。
雷斗は手伝う素振りも無く、伊織くんを放って女の子と電話していた。
まったくもう。
「……今度伊織くんの好きな物作るね」
「俺のですか?」
「うん」
目を見開く伊織くんがあどけなく見えて可愛くてクスクス笑うと、
「鳴さんの作ったものならなんでも好きです」
瞳をとろんとさせて伊織くんは微笑んだ。
直視していられなくて慌てて、野菜を切る伊織くんの手元に視線をやる。