灰を被らないシンデレラ
弱っている場合ではないのだ。
勝負はこれからなのだと意識を奮い立たせて踏ん張って地面を歩いた。
そうして講義室に入って適当な席を見つけ、そこに座ったところまでははっきりと覚えている。
けれど腰をかけた瞬間にぐらりと視界が回りどんどん暗転していく。
身体を支える力が抜けていき机に体を預けるように顔を突っ伏した。
なんだか眠くて堪らない。
頭がぼうっとして意識が覚束ない。
そう思った時には意識が遠のいており、授業が始まる前まではこのままでいいかと諦め、眠るように意識が沈んでいった。