灰を被らないシンデレラ
大量のメッセージの中に香里のものを見つけ、自分を心配する内容にきちんと夫と話が出来た事、風邪を拗らせて声が出なくなったからしばらくサークルは休むと嘘を交えて返信した。
激しい動きさえしなければ普通に動けるので家事はするつもりだったが、柊に全てを制限されてしまってする事が無く、憂は暇を持て余しソファーに小さく腰掛けるしかなかった。
そして少し落ち着いた頃を見計らい、心を決めて憂から話を切り出す事にした。
柊の側に立ち、袖をくいと引っ張ってスマホの画面を見せる。
[柊さん、ごめんなさい]
その文字を目にした柊は、苦々しく顔を歪めた。
「なんでお前が謝るんだよ」
[だって私酷い事言ったし。柊さんのこと怒らせちゃったし]
「ちゃんと話しなかった俺が悪いだろ」
[じゃあ今聞かせて]