灰を被らないシンデレラ



柊はスマホの画面と自分を交互に見ると、とりあえず座ろうとテーブルへ促した。
向かい合って座り、柊はこれまでをひとつひとつを紐解くように話し始めた。


沙里奈とは大学の同じゼミの先輩後輩の関係で、確かに昔少しの間交際はしていた。

しかしそれも沙里奈からの熱望により期間もほんの数ヶ月の間だけの短いもので、別れて以降は沙里奈の方から時折連絡がきてタイミングが合えば身体を重ねる事もあったらしいが、それ以上でも以下でもなかったらしい。


「相性良いとか言ってたらしいが、俺はんな事思った事ねえよ。あいつも他の女同様セフレくらいの感覚だったわ」


普通に最低だなと思ったが、それを文字で打つことはしなかった。

こういう話を聞いていると、自分はこの男のどこを好きになったんだろうとつくづく疑問に思う。


胸の内でそう毒付きながらも柊の次の言葉を待った。




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