灰を被らないシンデレラ

独白-憎悪-





尼崎沙里奈は生まれた時からお姫様だった。

幼い頃から他とは頭ひとつ飛び抜けて可愛かったし、頭も良く何をしても器用にこなせた。


故に両親にはこれでもかと言うほど溺愛されて育ち、さらに磨きをかけた容姿で異性からも数えきれないほど好意を寄せられた。


沙里奈が望めば何でも買い与えられてきたし、男もすぐに手に入れられた。
それが彼女が目を付けた時にすでに誰かの物だったとしても関係無かった。

彼女の美貌と権力、知性を持ってすれば略奪など造作もない事だった。


だからだろうか、沙里奈は酷い飽き性だった。

ブランドの服もバッグも、男も手に入れた側からすぐ手放した。
簡単に手に入れられる物には魅力を感じない。


だから可愛がっていた後輩から一宮柊を寝取った時だって、特別何かを感じはしなかった。





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