灰を被らないシンデレラ
[我慢しなくていいよ]
触れられなくて我慢してるのは自分だけだと思っている。
憂だって恋する一人の女なのだ。
好きな男に触れられないのは寂しいに決まっている。
頬を真っ赤にしながらスマホの画面を見せてくる憂に柊はギリッと唇を噛み締め、憂の首筋へと顔を埋めた。
「…後悔すんなよ」
言うや否や唇が重なり舌が絡み合う。
慣れた手つきでブラウスのボタンが外され、露わになった白い肌に柊の大きな手が触れる。
「…っ」
音は出ないが洩れ聞こえる声に興奮を覚えた柊は徐々に唇を落として柔らかな双丘に紅い色を付ける。
自分のものであるという証をつけた事で満足気に笑う柊は息の上がった憂を軽々と抱き上げ、そのまま寝室へと足を運んで行った。