灰を被らないシンデレラ
車に揺られ数十分、自宅のガレージに車を停めた柊は先に運転席から降りて素早く助手席へ回り込み、憂の手を引いた。
あ、これ今日死ぬかもしれないと思ったのは自分の手を握る腕に青筋が立っていたから。
そのまま自宅に入り込むと、途端に憂の口は塞がれ押し倒すようにその場に背中から倒れ込んだ。
「んぅ、…ふ……ぅ」
このまま喰われてしまうのではと思うくらいの激しいキスの嵐はついていくのがやっとで、しばらく経ってようやく離れた時にはすっかり息が上がっていた。
「っとにお前は俺を煽るのが上手いよなぁ?」
眼鏡を外しながらネクタイを緩め、自分を見下ろす姿にドキリと胸が高鳴る。