灰を被らないシンデレラ
付き纏う者
憂のルーティンにバイトが加わってから2週間が経った。
バイトの内容は単純で、振り分けられた担当ジャンルの商品の在庫チェックと補充、時間交代制でレジ番、あとは取り置きや取り寄せなどの接客対応から電話対応がメインとなる。
会計業務は最初は少し苦労したが、慣れてしまえば気持ちに余裕も出来て神経を使うのは現金払いの際の精算に注意するだけだ。
その日は遅番で閉店後に締めの作業をしてから荷物を纏めていると、同僚のバイトの女性が声をかけてきた。
「臣永さんって既婚者なの?」
自分と同じ大学生だと名乗った彼女は憂より1つ年上で、同じ美容系のジャンルの商品の担当をしていることから他のメンバーよりは絡みが多かった。
「はい、まあ一応」
「大学生だよね?学生結婚?」
「相手は社会人の方ですね」
「えっ、卒業まで待ってくれなかったの?学生の内に将来のパートナー決めちゃうの勿体なくない?」
「色々と事情もあったので…あと相手の方ひと回り年上で」
「へえ〜歳の差婚か!臣永さん美人だから旦那さんも離したくなかったんだね」