灰を被らないシンデレラ
女は確かにエロい体つきをしており、幼さを残しつつも整った顔立ちと発育の暴力ともいえる凹凸の激しい体型はこれでもかと男の情欲を掻き立てる。
あの男の言う通り、よほどの経験がなければああは成長しないだろう。
そうなるともうこの先の展開が容易に想像がついてしまい、完全に興味を失った柊はその場を去ろうとした。
が、その時だった。
「しつっこいんだよこの×××野郎!」
ガン!という凄い音と共に女の口汚い怒声が響き渡った。
驚いて再び目を向ければ、女がピンヒールで男の股の間の壁を蹴りつけ、胸ぐらを掴んで締め上げていた。
「お前最初っから気持ち悪いんだよ。ジロジロ人のこと下衆な目で見やがって」
およそ箱入りで育てられた女のする事とは思えないほど品の無い振る舞いに、柊は完全に度肝を抜かれた。
「そんなに私とヤりたきゃなあ、その何の役にも立たない矮小なもん引っこ抜いてから札束山程積み上げて、地面に頭埋まるくらい土下座しながら出直してきな!」
女はそう罵声を浴びせ、その凄まじい剣幕に縮み上がっている男を床に乱暴に投げ捨てて颯爽と去っていった。