灰を被らないシンデレラ

恋敵





バイトも残り1ヶ月を切り、学校も後期日程の授業が少しずつ始まりだしていた。

授業が入った事によりバイトも少し調整が必要になったが、腫れこそ引いたが未だ治りきってない顔の事もあり、市塚をはじめバイト仲間はとても親切で協力もしてもらい、以前より少ない時間での勤務となった。


そして最近、憂には新しい趣味ができた。
それがお菓子作りだ。


きっかけは友人の香里から「子供達にあげるためのお菓子を習いたいから一緒に教室に行かない?」と誘いを受け、柊に相談したら了承をもらえたので隔週ではあるが日曜日の昼から数時間、お菓子教室に通っている。


てっきり甘いものが苦手かと思っていたが意外にも柊は甘味は割と好きらしく、わざわざ自分では買わないが貰ったものは美味しく食べると謎のポリシーを持っていたので、教室で作ったお菓子はもれなく柊の胃の中に入っていった。

逆に憂は実のところそれほど甘いものを好まないので助かっていた。








< 66 / 181 >

この作品をシェア

pagetop