《マンガシナリオ》キミだけに、この溺愛を捧ぐ
第5話
◯第4話の続き、学校、グラウンド(夕方)
太樹に真剣な表情でまなざしを送る真琴。
真琴「わたし…、ずっと前からたっちゃんのことが好きだったんだ。だから、わたしと付き合ってください」
頬を赤らめる真琴。
太樹は目を見開く。
時がとまったかのようにしんと静まり返る。
少しの間驚いて固まっていた太樹がようやく口を開ける。
太樹「…ごめん」
真琴から視線を外す太樹。
太樹「真琴のことは大切だと思ってる。でもそれは幼なじみとしてで、彼女としては…見れない」
気まずそうに口ごもる太樹。
一瞬、真琴の目に涙が浮かぶ。
しかし、真琴は笑顔を見せる。
真琴「そっか!やっぱりそうだよね」
涙は見せずにニカッと笑う。
真琴「な、なんかごめんね、変なこと言っちゃって!」
太樹「いや…、べつに…」
真琴「気にしないで!むしろ、たっちゃんの気持ち聞けてスッキリしたから!」
真琴は太樹に気を遣わせないように明るく振る舞う。
太樹の友達「お〜い、太樹!そんなところにいてないで、こっちこいよ〜!」
キャンプファイヤーの火の近くで、太樹の友達が手を振って呼んでいる。
真琴「たっちゃん、呼ばれてるよ!言ってきて」
太樹「でも…」
真琴「わたしなら平気だから!ねっ」
そう言って、太樹の背中を押して送り出す真琴。
太樹は真琴のことを気にしつつも、友達のところへ駆け寄っていった。
その場に1人残される真琴。
とたんに、涙が溢れ出す。
真琴は泣き顔をだれにも見られないように、野球部のバックネット裏に隠れる。
太樹『真琴のことは大切だと思ってる。でもそれは幼なじみとしてで、彼女としては…見れない』
さっきの太樹の言葉を思い出し、真琴はバックネット裏にしゃがみ込んで静かに涙を流す。
――そのとき。
泣きじゃくっていた真琴の顔の前に焼き芋が現れる。
顔を上げると、焼き芋を真琴に差し出す流星だった。
流星「はい、これあげる」
突然現れた流星に、真琴はすぐさま制服の袖で涙を拭う。
真琴「あ…有島くん…!?なんでここに…」
流星「ん〜、なんでだろうね?なんとなく、ここに真琴ちゃんがいる気がしたから?」
そう言って、ニッ笑う流星。
流星「やっぱりごめん、今のは嘘。真琴ちゃん見つけて駆け寄ろうとしたら、丹羽先輩と話してる声が聞こえちゃって」
真琴は涙をこらえながら、きゅっと唇を噛む。
真琴「なんだ…、聞かれちゃってたのか。…で、なんで焼き芋?」
流星「疲れたでしょ?だからお腹空いただろうと思って。この時間だったから、出店の食べ物割引されてたから」
そう言って、再度焼き芋を差し出してくる流星。
真琴は涙で少し目元を赤くしながらも、流星からの焼き芋を受け取る。
真琴「ありがとう」
焼き芋を受け取った真琴を見て、流星も安心したように微笑む。
少しずつ焼き芋を頬張る真琴。
真琴「なんとなく、ダメなのはわかってた。でも、このまま気持ち伝えないままなのはいやで…」
泣き止んだはずが、また真琴の目から涙があふれる。
真琴「…わたしのこと、彼女としては見れないんだって。…当たり前だよね。他にかわいい女の子なんていっぱいいるのに、わざわざわたしみたいな女を選ぶわけないよね…」
徐々に涙声になっていく。
振られたことを思い出し、胸が苦しくなる真琴。
ポロポロと真琴の頬を伝う涙。
すると、流星が真琴を抱き寄せる。
流星の胸板に顔を押し付けられる真琴。
その硬い胸板に思わずドキッとして、真琴は頬を赤くする。
真琴「ちょっと…、有島く――」
流星「いいじゃん。今日だけはこうしたって」
流星は真琴を逃さない。
流星「胸貸すから。気が済むまで泣きなよ」
真琴「有島くん…」
流星「万が一だれかがきたら、俺が全力で隠すから。だから、思いっきり泣いていいよ」
流星のそのやさしい言葉にまた涙があふれ出す真琴。
真琴はなるべく声を殺しながらも、流星の胸を借りて泣いた。
その間、流星はずっと真琴の頭をやさしく撫でていた。
しばらくして、ようやく泣き止む真琴。
流星「落ち着いた?」
真琴「うん、ありがとう」
目を腫らしながら笑ってみせる真琴。
流星「それにしても丹羽先輩、もったいないことしたよな」
真琴「もったいない?」
流星「だってそうじゃん。好きな人のこと想って泣いちゃう真琴ちゃん、こんなにかわいいのにそれを知らないなんてもったいないって」
真琴「なっ…、かわいいって…」
顔を赤くする真琴。
真琴(有島くんはすぐに“かわいい”なんて言って、わたしをからかうんだから…)
そう思いながら、流星を横目で見る真琴。
流星「でも、泣いたらスッキリできた?……て、そんな簡単に気持ちは吹っ切れられないか」
真琴「う〜ん、…そうだね。たっちゃんには何年も片想いしてたからなぁ。振られたからってすぐには諦められないかな」
乾いた笑い声を漏らす真琴。
流星「そっか。たしか、『彼女としては見れない』って言われたんだっけ?」
真琴「うん、そうだよ」
真琴がそう言うと、なにやら顎に手を添えて考え込む流星。
そんな流星の顔を不思議そうに覗き込む真琴。
流星「だったらさ」
そうつぶやくと、真琴に顔を向ける流星。
流星「真琴ちゃん、代わりに俺の彼女になってよ」
突拍子もない流星の言葉に、真琴は口をぽかんと開け大きく目を見開く。
太樹に真剣な表情でまなざしを送る真琴。
真琴「わたし…、ずっと前からたっちゃんのことが好きだったんだ。だから、わたしと付き合ってください」
頬を赤らめる真琴。
太樹は目を見開く。
時がとまったかのようにしんと静まり返る。
少しの間驚いて固まっていた太樹がようやく口を開ける。
太樹「…ごめん」
真琴から視線を外す太樹。
太樹「真琴のことは大切だと思ってる。でもそれは幼なじみとしてで、彼女としては…見れない」
気まずそうに口ごもる太樹。
一瞬、真琴の目に涙が浮かぶ。
しかし、真琴は笑顔を見せる。
真琴「そっか!やっぱりそうだよね」
涙は見せずにニカッと笑う。
真琴「な、なんかごめんね、変なこと言っちゃって!」
太樹「いや…、べつに…」
真琴「気にしないで!むしろ、たっちゃんの気持ち聞けてスッキリしたから!」
真琴は太樹に気を遣わせないように明るく振る舞う。
太樹の友達「お〜い、太樹!そんなところにいてないで、こっちこいよ〜!」
キャンプファイヤーの火の近くで、太樹の友達が手を振って呼んでいる。
真琴「たっちゃん、呼ばれてるよ!言ってきて」
太樹「でも…」
真琴「わたしなら平気だから!ねっ」
そう言って、太樹の背中を押して送り出す真琴。
太樹は真琴のことを気にしつつも、友達のところへ駆け寄っていった。
その場に1人残される真琴。
とたんに、涙が溢れ出す。
真琴は泣き顔をだれにも見られないように、野球部のバックネット裏に隠れる。
太樹『真琴のことは大切だと思ってる。でもそれは幼なじみとしてで、彼女としては…見れない』
さっきの太樹の言葉を思い出し、真琴はバックネット裏にしゃがみ込んで静かに涙を流す。
――そのとき。
泣きじゃくっていた真琴の顔の前に焼き芋が現れる。
顔を上げると、焼き芋を真琴に差し出す流星だった。
流星「はい、これあげる」
突然現れた流星に、真琴はすぐさま制服の袖で涙を拭う。
真琴「あ…有島くん…!?なんでここに…」
流星「ん〜、なんでだろうね?なんとなく、ここに真琴ちゃんがいる気がしたから?」
そう言って、ニッ笑う流星。
流星「やっぱりごめん、今のは嘘。真琴ちゃん見つけて駆け寄ろうとしたら、丹羽先輩と話してる声が聞こえちゃって」
真琴は涙をこらえながら、きゅっと唇を噛む。
真琴「なんだ…、聞かれちゃってたのか。…で、なんで焼き芋?」
流星「疲れたでしょ?だからお腹空いただろうと思って。この時間だったから、出店の食べ物割引されてたから」
そう言って、再度焼き芋を差し出してくる流星。
真琴は涙で少し目元を赤くしながらも、流星からの焼き芋を受け取る。
真琴「ありがとう」
焼き芋を受け取った真琴を見て、流星も安心したように微笑む。
少しずつ焼き芋を頬張る真琴。
真琴「なんとなく、ダメなのはわかってた。でも、このまま気持ち伝えないままなのはいやで…」
泣き止んだはずが、また真琴の目から涙があふれる。
真琴「…わたしのこと、彼女としては見れないんだって。…当たり前だよね。他にかわいい女の子なんていっぱいいるのに、わざわざわたしみたいな女を選ぶわけないよね…」
徐々に涙声になっていく。
振られたことを思い出し、胸が苦しくなる真琴。
ポロポロと真琴の頬を伝う涙。
すると、流星が真琴を抱き寄せる。
流星の胸板に顔を押し付けられる真琴。
その硬い胸板に思わずドキッとして、真琴は頬を赤くする。
真琴「ちょっと…、有島く――」
流星「いいじゃん。今日だけはこうしたって」
流星は真琴を逃さない。
流星「胸貸すから。気が済むまで泣きなよ」
真琴「有島くん…」
流星「万が一だれかがきたら、俺が全力で隠すから。だから、思いっきり泣いていいよ」
流星のそのやさしい言葉にまた涙があふれ出す真琴。
真琴はなるべく声を殺しながらも、流星の胸を借りて泣いた。
その間、流星はずっと真琴の頭をやさしく撫でていた。
しばらくして、ようやく泣き止む真琴。
流星「落ち着いた?」
真琴「うん、ありがとう」
目を腫らしながら笑ってみせる真琴。
流星「それにしても丹羽先輩、もったいないことしたよな」
真琴「もったいない?」
流星「だってそうじゃん。好きな人のこと想って泣いちゃう真琴ちゃん、こんなにかわいいのにそれを知らないなんてもったいないって」
真琴「なっ…、かわいいって…」
顔を赤くする真琴。
真琴(有島くんはすぐに“かわいい”なんて言って、わたしをからかうんだから…)
そう思いながら、流星を横目で見る真琴。
流星「でも、泣いたらスッキリできた?……て、そんな簡単に気持ちは吹っ切れられないか」
真琴「う〜ん、…そうだね。たっちゃんには何年も片想いしてたからなぁ。振られたからってすぐには諦められないかな」
乾いた笑い声を漏らす真琴。
流星「そっか。たしか、『彼女としては見れない』って言われたんだっけ?」
真琴「うん、そうだよ」
真琴がそう言うと、なにやら顎に手を添えて考え込む流星。
そんな流星の顔を不思議そうに覗き込む真琴。
流星「だったらさ」
そうつぶやくと、真琴に顔を向ける流星。
流星「真琴ちゃん、代わりに俺の彼女になってよ」
突拍子もない流星の言葉に、真琴は口をぽかんと開け大きく目を見開く。