未来へ進む三つの絆
第11章:「絆を確かめる瞬間」
修と沙樹の関係が深まる中、学校生活にはさまざまな変化が訪れていた。二人が一緒にいることは、友人たちにとっても自然なこととして受け入れられるようになり、沙樹は少しずつクラスメイトたちとの距離も縮まっているのを感じていた。
ある日、放課後に修と一緒に図書室で勉強することにした沙樹は、これまでとは違う特別な時間を感じていた。図書室は静かで、二人きりでいることが心地よく、勉強をしながらもふと目が合うたびに「きゅん」とする気持ちが込み上げてきた。
「修くん、ここ分からないんだけど……」
沙樹が数学の問題を指さしながら尋ねると、修は優しい笑顔で彼女の隣に座り直し、問題を丁寧に教えてくれた。その距離の近さに、沙樹は少し顔が赤くなりながらも、修の声に耳を傾けた。彼の説明は分かりやすく、沙樹は自分の中で何かがクリアになっていく感覚を覚えた。
「ありがとう、修くん。本当に助かった。」
沙樹が感謝の気持ちを込めて微笑むと、修もまた微笑み返し、「沙樹が頑張ってるからだよ」と言った。その言葉に沙樹はまた「きゅん」とし、彼の存在が自分にとってどれほど大切なのかを再確認した。
その帰り道、二人は夕暮れに染まる校庭をゆっくり歩いた。修は沙樹の手をそっと握り、「ねえ、沙樹。僕たち、これからもずっと一緒に頑張ろうね」と静かに語りかけた。その言葉に沙樹は胸が熱くなり、大きく頷いた。
「うん、私も修くんと一緒にいたい。どんなことでも、一緒に乗り越えたいから。」
二人はしばらく無言のまま手をつないで歩き続けた。夕陽が校庭を黄金色に染め、その光が二人の間に流れる穏やかな時間を優しく包み込んでいた。沙樹は修といることで、自分が少しずつ強くなっていることを実感し、この瞬間がいつまでも続けばいいと心から願った。
次の週末、修は沙樹を誘って、近くの公園でピクニックをしようと提案した。「たまにはゆっくり自然の中で過ごすのもいいんじゃないかな」と修が笑顔で言うと、沙樹はその提案に大賛成した。公園での時間が、また二人の関係をさらに深める大切な時間になることを予感していたからだ。
そして迎えた週末、公園には穏やかな風が吹き、鳥のさえずりが心地よく響いていた。二人は持ち寄ったサンドイッチやお菓子を広げ、木陰の下で笑いながら楽しいひとときを過ごしていた。
「ねえ、修くん。私、最近すごく幸せだなって思うの。」
沙樹はふと真剣な表情で修に語り
かけた。修は驚いたように沙樹の顔を見つめ、それから静かに微笑んだ。「僕もだよ、沙樹。君と一緒にいることで、僕も毎日が特別なものに感じられるんだ。」
その言葉に、沙樹は胸がいっぱいになり、思わず修に寄り添った。修はそっと沙樹の肩に手を回し、優しく彼女を抱きしめた。その瞬間、二人の心がさらに深くつながったのを感じた。