〜Midnight Eden〜 episode1.【春雷】
快楽部屋と化したここも元々はバーかパブだったのだろう。店の名残のソファーとテーブル、カウンターの奥には酒瓶が並ぶ棚が置かれている。
カウンターの後ろに女が隠れていた。両耳を押さえて小さくうずくまる女はまだ若い。
愁に片腕を捕まれて無理やり立たせられた彼女の顔立ちは、美容整形案内のホームページにでも載っていそうな量産品だった。
『どうりで女がひとり足りねぇと思った』
「お願い見逃して……っ! 警察には言わない。身体でも何でも売るからっ! 死にたくないの……」
裸も同然のスリップ姿で女は愁にしがみついた。肩紐が落ちたスリップは腰まで脱げ、もはやその役目を果たしていない。
「あなたの女になってもいい。だから殺さないで……」
革手袋を外した愁の片手が女のしなやかな背中をなぞって彼女を抱き寄せた。身体に擦り付けられた豊かな胸は形が良く、鷲掴みした肉厚なヒップが若さを誇示している。
女の赤い唇が愁の唇を覆った。啄《ついば》み、触れ合わせ、唾液の音を伴って二人は舌を絡める。
キスを繰り返して近くのソファーに移動した彼女は、みずから股を開き愁を誘った。
陰毛がすべて取り除かれた女の部分は、愁の指が割れ目に触れると卑猥な音色を奏で始める。死にたくないと怯える女の膣は、蜜を放出して湿っていた。
利き手ではない愁の二本の指が中で動くたびに女は吐息混じりに甘ったるく喘いだ。毛の遮りのない剥き出しの性感帯が真っ赤に花開いていく。
愁の口に含まれた胸の突起は硬く尖り、赤く染まった下半身の花びらも愁に触れられて喜んでいる。
「っん、あぁんっ……!」
演技なのか本気なのか、女は甘い声でよく鳴いた。死体と血の臭いに囲まれたこの空間で一体、何に興奮しているのだろう。
もう少し茶番に付き合ってやろうと思ったが、嘘くさい喘ぎ声を聞くたびに白《しら》けていく。愁自身は乱れる女の裸に何ひとつ興奮していなかった。
『あんたの顔は俺の好みじゃねぇんだ』
利き手に握られているのは、最後の一発を宿した冷酷な武器。彼はソファーを降りて二歩下がる。
悲鳴も発せず震える裸の女は左胸に鮮血の花を咲かせて息絶えた。
仕事を終えた銃のサイレンサーを外して本体をホルスターに収めた愁は、膣に沈めていた二本の指先を舐めた。好みではない女の愛液は非常に不味く、彼の口には合わなかった。
Act1.END
→Act2.桜流し に続く
カウンターの後ろに女が隠れていた。両耳を押さえて小さくうずくまる女はまだ若い。
愁に片腕を捕まれて無理やり立たせられた彼女の顔立ちは、美容整形案内のホームページにでも載っていそうな量産品だった。
『どうりで女がひとり足りねぇと思った』
「お願い見逃して……っ! 警察には言わない。身体でも何でも売るからっ! 死にたくないの……」
裸も同然のスリップ姿で女は愁にしがみついた。肩紐が落ちたスリップは腰まで脱げ、もはやその役目を果たしていない。
「あなたの女になってもいい。だから殺さないで……」
革手袋を外した愁の片手が女のしなやかな背中をなぞって彼女を抱き寄せた。身体に擦り付けられた豊かな胸は形が良く、鷲掴みした肉厚なヒップが若さを誇示している。
女の赤い唇が愁の唇を覆った。啄《ついば》み、触れ合わせ、唾液の音を伴って二人は舌を絡める。
キスを繰り返して近くのソファーに移動した彼女は、みずから股を開き愁を誘った。
陰毛がすべて取り除かれた女の部分は、愁の指が割れ目に触れると卑猥な音色を奏で始める。死にたくないと怯える女の膣は、蜜を放出して湿っていた。
利き手ではない愁の二本の指が中で動くたびに女は吐息混じりに甘ったるく喘いだ。毛の遮りのない剥き出しの性感帯が真っ赤に花開いていく。
愁の口に含まれた胸の突起は硬く尖り、赤く染まった下半身の花びらも愁に触れられて喜んでいる。
「っん、あぁんっ……!」
演技なのか本気なのか、女は甘い声でよく鳴いた。死体と血の臭いに囲まれたこの空間で一体、何に興奮しているのだろう。
もう少し茶番に付き合ってやろうと思ったが、嘘くさい喘ぎ声を聞くたびに白《しら》けていく。愁自身は乱れる女の裸に何ひとつ興奮していなかった。
『あんたの顔は俺の好みじゃねぇんだ』
利き手に握られているのは、最後の一発を宿した冷酷な武器。彼はソファーを降りて二歩下がる。
悲鳴も発せず震える裸の女は左胸に鮮血の花を咲かせて息絶えた。
仕事を終えた銃のサイレンサーを外して本体をホルスターに収めた愁は、膣に沈めていた二本の指先を舐めた。好みではない女の愛液は非常に不味く、彼の口には合わなかった。
Act1.END
→Act2.桜流し に続く