今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
近くで見た彼女はますます綺麗で、直ぐにでも連れて帰ってしまいたくなる。

でも彼女は仕事もあるし今は一人でいたいと言った。

これ、やっぱり俺断られてるやつだよな。

しかし俺は申し訳ないが諦めが悪い男だ。
どうしたって彼女を引き止めたい。

半ば無理やり誘って、連絡先も交換した。

そしてショーが終わり挨拶のためランウェイに上がる。

彼女は案の定俺がMattのデザイナーだと知って驚きが隠せないようだ。

逃げようとするのがわかり、見てるぞと合図を送れば彼女はギロっと俺を睨んだ。

ククク、睨んだ顔まで可愛い。

それからアフターパーティーに出て業界の知り合いたちと挨拶を交わす。

やはり簡単に紅羽の所へは行けないか。

彼女は気付いてないようだが、会場にいる人が皆んな紅羽を気にして見ている。

あんなドレス着こなせる女性はそういない。

すると少し経った頃、紅羽が顔を引き攣らせて男女と話しをしているのが見えた。
< 102 / 288 >

この作品をシェア

pagetop