今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
「ちょっと失礼」
俺はすかさず話していたデザイナーに断りを入れて紅羽の元へと向かう。
あれ絶対に例の元カレと後輩の夫婦だ。
あの後輩の女、絶対に紅羽に憧れてる。
初めて会った時の紅羽の真似をしていると直ぐにわかった。
でも彼女にはあの髪型は似合っていないし、ドレスもうちのではなく紅羽が着ていたのと似たようなものをどこかから探してきたんだろう。
それでも全く着こなせていない。
真似をしても越えられないとわかっていないのか?
そして話しかけて彼氏のフリをすれば案の定彼女は目くじらを立てた。
元カレも大概だが、この女はあり得ない。
紅羽に憧れていたはずなのに、いつの間にかそれはひがみに変わってしまったようだ。
俺の紅羽を傷付けるな。
まだ俺のではないけど…
そう思い言いくるめてその場から紅羽を離した。
思ったより目立ってしまったな。