今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
紅羽を前にすると俺の心臓はうるさくなる。

ニューヨークで会った彼女の時のように。
やっぱり紅羽なんじゃ…

でも雰囲気もだいぶ変わってるし…
10年前に一度きり話しただけの彼女は、眼鏡をかけていたしな…

見る感じ、紅羽はコンタクトも付けてないようだし…

紅羽だったらいいのに。
こんな運命的な再会…
そうだったら夢みたいなのにな。

そんな事を思いながら抱いているからか、余計に時折みせる紅羽の顔があの時の彼女にだんだんと見えてきてしまう。

俺のデザイン画を見ただけで忠実に再現できるのはやはりあの時の子なんじゃ…

俺とあの時話した事なんて忘れてしまったのだろうか?

どうしても気になる。

俺は最中にも関わらず紅羽に聞く。
淡い期待をして。
願いを込めるように。


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