今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
やっと
〜紅羽side〜

それにしても…

はぁ。
なんなの本当に。

アトリエで作業しながら昨日の事を思い出してため息をつく。

なんであんなに…

どうしてこんなにも彼を思い出すと胸が騒ぐの?

そしてふと部屋で見た私をモデルにしたデザイン画を思い出す。

めちゃくちゃドンピシャなデザインだったな…

気づけば紙にペンを走らせていた。
つ、作っちゃおうかな…

いや。勝手にだめだよね。

何故か誠が書くデザイン画からはインスピレーションがわいてくる。

あの時みたいに…

あのニューヨークで一度だけ会って、私にパタンナーの仕事があると教えてくれた彼のデザイン画のように。

ん…?

そういえばあの時の彼も目の下にホクロが二つ…

まさか…!?

私はもう一度誠のデザイン画を引っ張り出して食い入るように見る。
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