今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
そして近くまで行って声をかけた。

彼はやっぱり日本人だった。

グレーのフード付きのパーカーを着てお揃いのジョガーパンツを履いていて、白のソックスにボリュームのあるハイカットのシューズを合わせていた。

お、おしゃれやな。

なんかスタイルも良さそうだ。

でもすごく真面目そう。

彼は私からデザイン画を受け取るとおもむろに目の前で白紙のページにまたデザインを描き出した。

すごい!

それから少し話をして、服を作るのが好きだと言えばパタンナーという仕事がある事を教えてくれた。

彼のデザイン画を見て私の脳内はパーツごとに次々と寸法が浮かんできてパラダイス状態だった。

ワクワクして、彼のデザインした服をいつか私が作りたいと思った。

そんな話をしていればあっという間にお昼の時間を迎えて私はホテルに慌てて戻ったのだった。
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