今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
「誠は料理もできちゃうんだね」

「ははは、紅羽ちゃんもね」

そう言ってオデコにキスをされる。
甘い。
非常に甘い。

「た、食べよう」

麻婆茄子の他にも、卵のスープや海藻のサラダ、レンジで温めるだけのシュウマイなどをテーブルに乗せて手を合わせる。

「「いただきます」」

タイミング合っちゃったわ。

そして意外にも誠は凄い勢いでご飯を食べて行く。

ふと弟の蒼翔を思い出した。
いい勝負だなこれは。

「ん。美味い」

「その口のピアス、邪魔じゃないの?」

「全然。慣れた」

慣れるもんらしい。

「キスの時、気になる?」

急にそんな話題になって恥ずかしくなる私。
そして私もいつの間にか慣れてしまった事に気づいた。

「いや…大丈夫」

「クククク、顔赤くなってる。俺とのキス、思い出した?」

「ちょっ…」

「早く俺の事好きになってくれないかなー。俺なかなかの優良物件じゃない?」

バクバク食べながらそんな事を言って笑ってる。
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