今夜だけのはずが極上の彼に愛されて


「か、帰ります」

そして片付けをして荷物を持った。
歓迎会に行かないと。

「お先に失礼します」

これ以上誠の顔を見てたら文句が止まらないし泣いてしまいそうだ。

そして誠の前を通り過ぎた時腕を掴まれた。

「え?」

私は驚いて誠を見上げると、なぜか誠も驚いている。

「あ…ごめん。何でもない」

なによ。
しかも離さないし。

「紅羽ちゃん…何か…言いたい事ある?」

すると誠はそんな事を聞いてくる。

それは誠でしょ?
どうして急にそんなよそよそしくなったの?

私はもうこんなに…

ブンと腕を振って掴まれた腕を振り解いた。

「捕まえた魚にはエサはやらないタイプですか?」

「は?」

やばい。
つい変な事を行ってしまった。

「あ…いや…ごめんなさい。忘れてください…それじゃ」

こんな事言うつもりなかったのに。
私は慌てて帰ろうとするとまた手を掴まれてしまう。

「待てよ。今のなんだよ」

強い口調で聞かれて目が合う。

私は誠の事…

私は俯き目をそらしてしまう。
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